怠けてばかりで人を騙すことを趣味としている、大納言という僧侶がいました。
ある日、大納言は1人で不動明王の道場に行き、いつものように居眠りをしていると不動明王に剣で襲われる夢を見ました。
大納言は怒って目の前の不動明王像を殴り、紐で縛ってしまいました。
その後、金門の付近で水を汲もうとしたところ、「大納言!」と呼ばれた気がしました。
声の方を見上げた瞬間、大納言は体を真っ二つに引き裂かれてしまいました。
そして、彼の頭は杉の木にかけられ、さらし者となりました。
不動明王の裁きだったのか、烏天狗が罰を与えたのか、いずれにせよ悪さが過ぎた大納言は命を落としました。
いつしか大山寺では、この杉の木を「大納言杉」と呼ぶようになり、弟子に決して大納言という名前を付けず、この話を戒めとして伝えるようになりました。
別名天狗杉とも言われ直径約1.6mあったそうですが、現在は2代目となっています。2本の杉の間を下から見通すとその先には天狗屋敷と呼ばれる場所があります。