基好上人の墓

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基好(きこう)は平安後期から鎌倉前期にかけて活躍した大山寺きっての名僧です。天台密教の奥義を極めたとされ、天台宗のトップを務めた慈円もその教えを求めたと言われています。また、後に臨済宗の開祖となる栄西にも密教の奥義を伝授しています。

大山寺霊宝閣にある鉄製厨子には「遍照金剛(へんじょうこんごう)基好」とあります。基好の肩書の遍照金剛とは大日如来の別名です。基好は大山寺で最も大日如来の領域に近づいた存在として扱われていたようです。

この形のお墓は五輪塔と呼ばれ、平安後期から造られるようになりました。ただし、五輪塔自体は室町初期ごろの制作とみられ、基好の死から約200年後に造られました。五輪塔は仏教の世界で宇宙を構成する五大(下から地・水・火・風・空)を表しています。また、五体(頭・両手・両足)とも結びつけ、亡くなった人の全身に密教の教えが浸透する様子を表現しているともいわれます。

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