冬山登山 十訓

大山の冬は標高3000メートル級の厳しさです。
「冬山登山十訓」を守って、安全な登山を!

冬山登山

大山は、1700メートルほどの山ですが、独立峰で日本海に接しており、いったん天候が崩れ始めた際の厳しさは、3000メートル級の山に匹敵する厳しさです。
初めての人はもちろん、経験のある方も、今一度次のことに注意して、万一に備えてください。

最悪の条件でも切り抜けられる備えがなければ、安全な登山とは言えません。

その1. 登山届、下山届を必ず提出してください

雪山は、絶えず危険にさらされています。
万一の事態に備え、登山届、下山届を出しましょう。
登山届、下山届の提出先は、大山寺駐在所(大山博労座 大山ナショナルパークセンター前)です。

その2. 日程、装備は十分に

余裕ある日程で行動しましょう。
装備品は出発前によく点検し、取り扱い方法についても習熟しておきましょう。
特にアイゼンは、冬用の登山グローブをしたまま装着できなければ、万一のときに危険です。
また、燃料や食料、衣料品も十分に準備しておきましょう。

その3. 単独登山は危険です!

単独では適切な判断ができにくく、さらに遭難した場合に救助を求めることができませんので、単独登山はやめましょう。

その4. 基本行動を厳守しましょう

冬山での遭難は、経験者が多いのが現状です。
これは、基本を省略した惰性的な行動によるものと思われます。
「大丈夫」と思われる場所でも、ザイルやアイゼン等を活用して慎重に行動してください。

その5. 雪崩、雪庇に注意してください

冬山では、全国的に毎年雪崩による大きな遭難事故が発生しています。
大山でも2024年3月に雪崩による遭難事故が起きています。
気象情報をよく確認して、積雪、降雪の状況や気温の変化などに十分注意しましょう。
また、稜線では風下側に大きな雪庇(せっぴ)ができ、危険な稜線を形作っています。
雪崩の起きやすい場所や雪庇等、危険な場所には近づかないことが大切です。

その6. リーダーの責任は極めて重大です!

ホワイトアウト(猛烈な吹雪により視界が無くなる状態)や遭難時に対する対応など、知識、技術、経験と、パーティーをまとめ無理をせず引き返す判断と決断が求められます。
冬山初心者だけでの登山は、危険ですので絶対にやめましょう。

その7. 万全な体調で望みましょう

冬山は気象が急激に変化し、厳しい寒気により体力が消耗します。
十分な体力と万全な健康状態で望みましょう。

その8. 気象状態を常に確認しましょう

入山する前に、必ず期間中の気象状況を確認し、注意報、警報の発令中は回避することはもちろんのこと、登山中少しでも天候悪化の兆しが見えたら、潔く登山を中止して引き返す勇気をもちましょう。

その9. アイゼンで避難小屋や木道を傷つけないようにしましょう

山頂の避難小屋は、事故防止のため必ずアイゼンを外してから入ってください。
頂上大地の木道の上を、積雪がないのにアイゼンをはいたまま歩かれる方があり、毎年木道が傷ついてしまいます。
みなさまの安全で快適な登山のために、木道を傷つけないようご配慮ください。

その10. 携帯電話等の携帯

いざというとき、警察や消防に連絡通報できるのが携帯電話や無線機です。
入山前にはフル充電を確実に行いましょう。
気温が低いと、消耗時間も早いので、予備の電池も用意した方が万全です。
万が一のためにビーコンを所持することも迅速な救助のために必要です。


さあ、みなさん。
冬山への準備はできましたか?
「冬山登山十訓」を守って、冬の大山を楽しんできてくださいね。

出発前に、一言だけ…。

「登山はすべて自己責任」と言う方がおられます。
確かにそれは、間違いではありません。
しかし、「自己責任だから自分の判断で多少の無謀なことはしても良い」というのは、絶対に間違いです。

大山の冬は非常に厳しく、これまでにも多くの貴い命が失われてきています。
特に、北壁登攀や縦走は、常に危険と隣り合わせです。

あなたが踏み出そうとしている一歩は、無謀な挑戦ではないですか?

あなたに万一のことがあったら、それを悲しむ大切な人たちがいること。
そして、あなたに万一のことがあったとき、あなたを助けるために、自分の命をかけて危険な山へ救助に入る、警察や消防、山岳救助隊のみなさんの存在を、どうか忘れないでください。

これは、大山の冬山に関わるみなさんの、共通の願いです。
どうぞ安全な登山を。あなたが無事に下山されるのを、みんなが待っています。

緊急時の連絡先

万一の場合の緊急連絡先の電話番号は以下のとおりです。
入山前に、携帯電話の電話帳に登録するなどして、いざというときすぐに連絡ができるようにしておきましょう。

琴浦大山警察署 0858-49-8110
大山寺駐在所 0859-52-2200
米子警察署 0859-33-0110
大山消防署 0859‐39‐5002
黒坂警察署 0859-74-0110
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